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夏の海。子供達がみんなで砂浜に砂人形や砂城を作る。出来映えを見るのもつかの間、大きな波が押し寄せてきて、この見事な造形物をごっそりと、根こそぎ洗い流していく。海水の引いていく水溜りを茫然と見つめる子供達。ちょっと童話めくが、昨年一年を振り返ると、どうしても波に流されて行った砂人形や砂のお城が思い浮かぶ。
3.11の大地震と津波、さらに原子力発電所の事故。大きな自然災害に加えて原子力の災害が平和な人々の営みを根こそぎ破壊し、押し流していった。
夏にはEUの金融危機。ギリシャ、スペインの財政破綻はユーロ圏はおろか世界全体を巻き込んでの経済危機に発展。これも人智を尽くして築いてきたEU世界に決定的な打撃を与え、根こそぎ、洗いざらい流し去って行った。
年末には北朝鮮総書記の突然の死去。営々と築いてきた独裁国家であれ、そのトップの突然の死はあっ気なく、まさに砂城が一気に消滅したような衝撃が走る。
人智人力を傾けて創ってきたものが、他愛も無く崩れ、消え去っていく様を見ると、なぜか悲しく、やるせない。懸命に創ったものだけに、その一瞬の崩壊は無残であり、喪失感は大きい。顰蹙を買うかも知れぬが、悲しみを超えて、すこしばかり醒めた自失感さえやってくる。
だが、人々は決して懲りない。壊れても、壊されても、またさらに堅固で、一層強固なものを目指して歩み続ける。諦めることもなく、また営々と作り直しを始める。これが人間であり、これが人間の文化なのだ。
昨年は「根こそぎ」もっていかれる、「喪失感」の強い一年であった。本年は「リビルド=再建」、「リストラクチュア=再構築」の年として、もっと堅固な城を創っていかねばならない。だが、良いものを創るには友が要る。手に手をとって助け合う「友」が要る。この指に止まれ、この手にとまれである。一人よりは二人のほうが心強い。そういえば、手が二本、これが「友」という字の原型ではあった。
2012年 正月






